楽天が「ワンデリバリー戦略」を発表、自社運営の倉庫と自社輸送網を展開する。
楽天とAmazonの競争・競合・戦いはこの15年のECの隆盛とともに続いてきた訳ですが、送料無料の弊害や輸送のラストワンマイル問題から徐々に追い込まれている感のある楽天から、新たな改革案として「ワンデリバリー戦略」が発表されました。
そもそも、楽天はAmazonフルフィルメントセンターのように自前で巨大倉庫を持ち店舗から預かった商品を一括で輸送を行うべく、2010年に楽天物流という子会社を設立したが、うまくいかずに2014年に解散した過去がある。つまり今回は再挑戦という形になるのだが、今度はどう攻めるのだろうか。
楽天市場のワンデリバリー構想とは
基本的に目的は変わらず、安定した店舗運営と質の高い配送サービスを提供するべく店舗ごとにバラバラだった配送・輸送業務を一括して在庫管理から発送業務を行い、人気商品が品薄になった場合など追加で楽天のスーパーロジスティクス(倉庫)に商品を入れて欲しいという事。
完全にAmazonのフルフィルメントセンターです。
つまり、楽天市場に多く存在するドロップシッピング型の商品(注文が入ってからメーカー倉庫に発注をする)では対応することができない。実際に在庫を持っている商品に関わる配送業務を楽天スーパーロジスティクスに委託するというフローになる。
そのため、楽天はスーパーロジスティクス倉庫を日本全国に新設するそうで、現在ある千葉県市川市の2ヶ所と兵庫県加西市に加えて、千葉県流山市、大阪府枚方市にも新たに倉庫を用意するとしている。(倉庫の間借り含む)
ただ、楽天が現在所有する倉庫3ヶ所の延べ床面積を合計しても、Amazonの小田原センター1ヶ所の延べ床面積よりも小さいため、すでに国内13ヶ所の自社自前倉庫でフルフィルメントセンターを運営し、さらにPRIME NOW専用倉庫も国内6ヶ所で運営するなど日本で15年以上実績を積み上げてきた倉庫業務で追いつくのはかなりの時間がかかりそうだ。
また、楽天は「Rakuten-EXPRESS」と題して、楽天ブックスと楽天市場の日用品「Rakuten DIRECT」で自社運営の配送網を用意し、試験運用を開始している。これはAmazonと違い、配送スタッフまで自前で用意することで、特にここ数年Amazonと比較され配送が遅い、キャンセルが出来ない、なんかダメと言われていた物流を直接雇用することでユーザーにもメリットはあるだろう。
現在は都内23区が対応区域だが、2018年内には関西主要都市にもエリアを広げると楽天は発表している。
ただ、自社サービスから対応商品・エリアを広げていくと、これはこれでAmazonがフルフィルメントサービスを受けている会社から叩かれる要因にもなっている「Amazonで人気商品を販売していると、気づいたらAmazonが自社ブランドで同商品を売り出して強力な競合になってしまう問題」と同様に、楽天ダイレクトが楽天市場の出店者の市場を奪う事になりそうだが、大丈夫なのだろうか。
楽天市場の店舗数はオープン時から右肩上がりを続けている(途中、楽天トラベルなどもまとめられてしまっているが)が、一部の大規模店舗や人気店舗、差別化できる商品を販売しているを除き大半が赤字状態と言われている。
今後は市場原理を元に楽天本体とも競合していくことになるのだろう。
やはり越境ECを考えていかなければ生き残り策は無いのかもしれない。
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