GREEとビリビリ動画がゲーム・VTuber領域で業務提携
やはり市場として「日本国内だけ」を考えることは成長を阻害するのか。
最近はテレビCMなど表立ったプロモーション活動をしておらず一般には「ゲームの会社」以外のイメージが無かったと思われるGREEだが、次の経営の柱となりそうな新規事業に順次投資をしていたようだ。
昨今のエンタメ×Web業界では事業モデルを検討する上で初期から海外展開を視野に入れておくのは当然と言えるが、その中でもアニメやゲームは翻訳という橋をかけなくてもそのまま通用するような、非常に「輸出」に適したコンテンツだ。そこに日本で急激に広まった「VTuber」を含めて日本の何倍も大きい市場を持つ中国に展開するのはなんら不思議なことでもないだろう。
特にプラットフォームとして存在感を出したい企業では最初にシェアを押さえるのが重要なので、この記者発表は内外に「本気である」と示すいいタイミングだったと思う。
ただ、ニュースに写った代表の田中良和さんは無精髭とも言えない薄っすらとしたひげが口の周りに目立ち、4Kテレビで見ていた筆者には「せっかくなんだからもう少し見栄えをよく。。。」と残念に思ったのも事実。
それはさておき、中国のエンタメや芸能界はシンプルに市場規模が大きいので日本と同様のコンテンツを持っていけばVTuberとゲームにおいてある程度の実績は出せるはずだ。ローカライズもそう難しくはないだろう。
実際に協業第1弾ではGREEグループの「株式会社Wright Flyer Live Entertainment(WFLE)」で、bilibili(ビリビリ)と共にVTuberグループ「ゲーム部プロジェクト」と、VTuberの「道明寺ここあ」に関連するプロジェクトを展開するそうだ。
さらにVTuber専用配信プラットフォームである「REALITY」を運用しているWFLEは、自社の「いそら真実」、他社IPの「すーぱーそに子」人気バーチャルライバーグループ「にじさんじ」、テレビ番組にも進出している「KMNZ」などの配信も行っているので順次、中国向けにも展開するのではないだろうか。
中国でも日本同様に多くのプロダクションが立ち上がっている現在、どのように中国国民に受け止められるのか非常に興味深い。
人間が介在するものについては海外からの逆輸入のようなコンテンツも流行っており、テレビや動画サイトでは韓流アーティストとしてデビューしたEXOの元メンバーや現メンバーの中国人アーティストが、中国国内のテレビや動画番組、CM、屋外広告を席巻しており「流行っているものに乗っかる」という国民性があるのかもしれない。(オーディション番組も流行中)
このような「流行」の波に乗れるかどうかがGREEの生命線になるだろう。
また、今後12月に両社が共同出資する「bGゲームス」はbilibili側が出資比率は高いようだが、本社は東京都渋谷区に置かれる模様。この辺りも「日本のコンテンツを中国へ」という図式がよく現れている。
ゲームコンテンツはソードアートオンラインやミリオンアーサーなどの実績ある開発メンバーが関わるようで、今後に期待が持てる。
正直、ここまで国境の存在感が薄くなっているビジネスの世界で、日本のニコニコ動画と組むよりも最初から海外の企業とアライアンスを組む方が短期的にも中長期的にもメリットが大きいのだろう。
世界の国が日本市場を目指していた時代から、日本も韓国のように最初から海外市場を考慮してビジネスをしていく時代が始まったとも言えるのかもしれない。
寂しいと感じる世代もいるだろうが、そういうものだと割り切って考えていくしかないのだろう。
大変な時代だ。
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